ラック・セキュリティごった煮ブログ

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(編集:株式会社ラック・デジタルペンテスト部)

技術書を書くということ


どーも、デジタルテンペスト部の松田です。

先月、単著で書いた『オンラインゲームセキュリティ』という書籍が発売になりました。ここでは本の内容に言及するのではなく「技術書を一冊仕上げる」ことについて思ったことを書いてみたいと思います。

なぜ技術書を書くのか

技術書…専門書を手掛けるからには、お金以外の崇高な理由が必要です。手っ取り早く稼ぎたいのであれば、流行のバズワードを組み合わせて書名を作って、ゆとりある行間のレイアウトでボリュームを水増しして、背表紙が立つように厚い紙を使って製本すればいいと思います。

話を戻すと、第一の理由は「知識の追求と整理」です。いい加減な理解度で専門書を書くことはできないので、アウトプットが本一冊とすると、インプットは筆者の感覚ですが30冊以上は必要ではないかと思っています。本を書くことを自らに強制すると、膨大な知識量が得られる訳で、言い方を変えると、自らに学習を強制できるとも言えます。

第二の理由ですが、専門書というものはその著者が持つスキルが凝縮されたものなのだから、単著の書籍は名刺代わりになるということです。これは大きい。

原稿を書く

原稿を書くときは、細々としたトピックからかかるよりも、大枠としての目次から作成したほうがいいです。専門的なことから書きたいという気持ちはわかりますが、書きたいところから書くと、後になるほど辛くなります。そして、各項目は大雑把でもいいからひとまず書き切ることを目指したほうがいいです。一から書き切るのは非常にきついですが、一度書いた荒削りの文章を直していくのはそれほどきつくないからです。

原稿が100ページを超えると急激にきつくなり、重圧から進捗も下がります(筆者の場合)。同人誌であれば100ページはかなりのボリュームですが、書籍として見た場合はボリューム不足です。

本のボリュームが増えると、書いている間に書き終わった部分が古くなっていく問題にぶち当たります。その場合は、古くならない普遍的なトピックを先に書いて、時事や年代がからむトピックは最後の方で書くといった機転も必要だと思います。

印税について

今は本が売れない時代です。ましてや技術書、専門書ともなれば、その発行部数は推して知るべしでしょう。印税支払いで儲けようと思ってはいけません。

会社に内緒で書く場合

プライベートな時間だけで書き上げたのであれば、印税は100%自分のものです。ただし、仕事が終わって眠い目を擦りながら書くことのできるタフさが求められます。単にお金を得たいのであれば残業した方が儲かるので、お金以外の強い目標が必要になります。住民税の支払いと確定申告は忘れないようにしましょう。

会社の支援を受けて書く場合

例えば、勤務時間に本を書くことを許可されている場合を考えます。この場合、印税の取り扱いを勤務先に確認した方が良いです。弊社のように印税の振込先に自分の口座を指定できれば、印税は100%あなたのものです。しかし、内規が厳しい会社だと振込先が会社指定、つまり印税のピンハネが行われるため、ダイレクトにモチベーションへの影響が出ます。後から後悔すると愛社精神にも影響が出るため、早い段階で確認することを強くお勧めします。

一番必要だったこと

書くモチベーションを継続させるために1日1行でもいいから毎日書くことを心がけたほうがいいと思いました。これがダメなら、執筆の神が降りてくるのをひたすら待って、降りてきたら夜を徹して一気に書き切るしかないです。

また、執筆に対する志が高すぎると挫折すると感じました。完璧主義は手を止める機会を増やすだけで、完成の邪魔にしかならないです。出版社の社長から言われたことですが「本は永遠に完成しないもの」と思いましょう。

Done is better than perfect. (by Mark Zuckerberg)
「完璧を目指すよりもまずは終わらせろ」

ということですね。